基礎知識 — 大麻草とは
大麻とホップ — ビールの原料は大麻の「いとこ」、アサ科の植物学
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ビールの苦味と香りを生み出す ホップ(Humulus lupulus) は、実は 大麻(Cannabis)と同じ「アサ科(Cannabaceae)」 に属する近縁の植物である。見た目こそ違うが、両者は 共通の祖先 から分かれた “いとこ” の関係にあり、形態やテルペン(香り成分)に多くの共通点を持つ。一方で、カンナビノイドを作るかどうか という決定的な違いもある。本記事は、この大麻とホップの関係を植物学の視点から整理する。
植物分類学上、大麻とホップはともに アサ科(Cannabaceae) に分類される。この科は分子系統学による再編を経て、現在では 約 11 属・170 種ほど を含むとされ、大麻属(Cannabis)とホップ属(Humulus)のほか、エノキ属(Celtis、エノキの仲間)などが含まれる。
中でも 大麻属とホップ属は特に近縁 で、共通の祖先から 約 2,800 万年前に分岐した と推定されている(分岐年代には研究による幅がある)。なお、別記事「絶滅した大麻の祖先酵素を「復元」」で触れた古代の合成酵素は、この 大麻とホップが分かれる以前 にさかのぼる古い起源を持つとされる。
大麻とホップには、同じ科の植物らしい共通の特徴がある:
大麻とホップは、同じ香り成分(テルペン) を多く共有している。
「大麻の香りはビールのホップに似ている」と感じられることがあるのは、こうした テルペンの共通性 による。
最大の違いは、カンナビノイド(THC や CBD など)を作るかどうか である。
過去には「カンナビジオール(CBD)を含むホップ品種」をうたう商業的な主張も登場したが、ホップが本来カンナビノイドを生産するという見解は科学的に確立しておらず、議論がある。植物学の主流の理解では、カンナビノイドの生産は大麻属に特徴的な能力とされる。
近年は、カンナビノイドを大麻草の栽培に頼らず、酵母などの微生物に作らせる(発酵生産)研究が世界的に進んでいる。前述の祖先酵素の復元研究のように、カンナビノイド合成酵素の進化や、近縁種の遺伝資源 への関心も高まっている。大麻とホップの近縁関係は、こうした 植物の進化生物学・バイオテクノロジー の文脈でも注目されている。
ただし、これらは基礎研究・産業応用の話題であり、ホップから大麻成分が得られることを意味するものではない点には注意が必要である。
ビールの原料ホップは、大麻と同じ アサ科(Cannabaceae) に属する近縁種で、両者は約 2,800 万年前に共通祖先から分かれたと推定される。雌雄異株・樹脂腺・掌状の葉・共通のテルペン(ミルセン、フムレンなど)といった多くの共通点を持つ一方、カンナビノイドを作るのは大麻属に特徴的な能力 であり、ホップは自然にはこれを生産しない。香りの似た “いとこ” でありながら化学的には明確に異なる、という植物学的な関係である。日本国内では大麻草・大麻製品の所持・使用・栽培は大麻取締法および関連法令により規制されており、本記事は植物学の解説を目的としている。
出典 — Sources
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