品種図鑑 — CBD 優位 — Type III (CBD 優位)
ACDC — 高 CBD 含有量を誇る代表的医療向け品種
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品種図鑑 — CBD 優位 — Type III (CBD 優位)
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品種データシート
ACDC(エーシーディーシー)は、精神作用(ハイ)をほとんど起こさず、CBD の働きだけ を狙うことを目的に育種された、医療大麻シーンの代表品種。CBD を 16-24%、THC を 1% 未満に抑えており、てんかんや不安・痛みを扱う観察的研究で頻繁に取り上げられる。
「酔わない大麻」として語られる、医療目的で広く参照される CBD 優位の品種。THC をほとんど含まないため、嗜好的な高揚感より体調管理の文脈で名前が出る。
ACDC の名前は、「Alternative Cannabinoid Dietary Cannabis」 の頭文字に由来するとされる(諸説あり、ロックバンド AC/DC との直接の関係はない)。CBD:THC 比が 約 20:1 で、これは Charlotte’s Web(別記事参照)と並ぶ業界最高水準のバランスである。
特徴:
CBD 優位品種としては比較的トライコーム被覆が密な部類で、「白く粉雪のような」と形容される。
「土・松・甘さ」という古典的なヘルバル系の香り。THC 高含有株の rich で複雑な香りより、穏やかでクリーンな香り が特徴。
ACDC は精神作用(ハイ)をほぼ持たないため、他の高 THC 品種とは別の効果プロファイル となる:
医療文脈で取り上げられる症状:
これらは品種固有ではなく、CBD の薬理作用(別記事「CBD とは」参照)に由来する。大規模臨床試験での確立された治療効能はない が、観察研究・小規模試験で報告が蓄積されている。
ACDC は Cannatonic という別の CBD 優位品種の表現型(フェノタイプ)から選抜された。Cannatonic は Resin Seeds(スペイン)が育種した品種で、CBD:THC が 1:1〜1:5 程度の安定したバランスを持つ。Lawrence Ringo / SoHum Seeds が Cannatonic から より極端に CBD 優位な個体 を選抜したのが ACDC の起源とされる。
Cannatonic 自体も「CBD 革命」を象徴する品種として、Charlotte’s Web、Harlequin、ACDC とともに 2010 年代の医療大麻シーン形成に寄与した。
ACDC は CBD 優位品種カテゴリの中で参照点となるため、以下の品種が ACDC をベンチマークとして比較されることが多い:
ACDC は 2010 年代の医療大麻シーンの転換点 を象徴する品種である。それまで嗜好用市場が高 THC 化を進める中で、Charlotte’s Web(2011 年成立)とともに 「CBD 優位品種の商業価値」を確立 した代表例とされる。
Lawrence Ringo(2014 年逝去)は CBD 育種のパイオニア として業界に大きな足跡を残し、彼の死後も SoHum Seeds が ACDC とその派生品種の供給を続けている。
日本では ACDC 系列の CBD 製品(オイル・サプリメント・化粧品)が、Δ9-THC 検出限界以下 の条件で輸入・流通している(2026 年 5 月時点)。茎・種子由来の原料に限定された CBD オイルとして、大麻取締法の規制対象外 で合法に流通する。
ただし日本国内では大麻草・大麻製品の 所持・使用・栽培・輸出入は大麻取締法および関連法令により規制 されており、原料部位・成分基準を満たした製品のみが合法に流通する。詳しくは別記事「CBD とは」を参照。
本記事は文化的・植物学的・医療文脈の解説を目的としており、特定の使用や製品購入を推奨するものではない。医療上の判断は必ず医師等の専門家に相談する必要がある。
出典 — Sources
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