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品種図鑑 CBD 優位 Type III (CBD 優位)

ACDC — 高 CBD 含有量を誇る代表的医療向け品種

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品種データシート

系統
CBD 優位
化学型
Type III (CBD 優位)
THC
<1%
CBD
16-24%
由来
米国 (2010 年代前半)
成立年
2013
親系統
Cannatonic
主要テルペン
#myrcene#pinene#caryophyllene
風味
木の質感わずかな甘さ
効果傾向
鎮静(精神作用ほぼなし)痛覚調整抗炎症の研究文脈不安緩和の研究文脈

ACDC(エーシーディーシー)は、精神作用(ハイ)をほとんど起こさず、CBD の働きだけ を狙うことを目的に育種された、医療大麻シーンの代表品種。CBD を 16-24%、THC を 1% 未満に抑えており、てんかんや不安・痛みを扱う観察的研究で頻繁に取り上げられる。

ひとことで言うと

酔わない大麻」として語られる、医療目的で広く参照される CBD 優位の品種。THC をほとんど含まないため、嗜好的な高揚感より体調管理の文脈で名前が出る。

概要

ACDC の名前は、「Alternative Cannabinoid Dietary Cannabis」 の頭文字に由来するとされる(諸説あり、ロックバンド AC/DC との直接の関係はない)。CBD:THC 比が 約 20:1 で、これは Charlotte’s Web(別記事参照)と並ぶ業界最高水準のバランスである。

特徴:

  • 極めて高い CBD 含有量: 16-24%(品種ロットによる)
  • THC が事実上検出限界以下: 1% 未満
  • 精神作用なし: 「ハイ」にならないため、子ども・高齢者・THC に過敏な患者の研究で活用
  • 医療文脈でのエビデンス蓄積: 痙攣・慢性疼痛・不安・自閉スペクトラム症の周辺症状などの研究

形態と特徴

  • 樹高: 中(80-130 cm)
  • 開花期: 9-10 週間
  • 収量: 中程度
  • 耐病性: 中程度
  • 見た目: 細長い蕾、明るい sage 緑、淡黄色のピスティル、繊細だが密なトライコーム

CBD 優位品種としては比較的トライコーム被覆が密な部類で、「白く粉雪のような」と形容される。

化学組成

カンナビノイド

  • CBD: 16-24%(品種ロットにより変動。20% 前後が中央的)
  • Δ9-THC: 1% 未満(検出限界レベル)
  • CBG・CBN: 微量

主要テルペン

  • ミルセン(myrcene): 土・ハーブ感の中核
  • α-ピネン(pinene): 松・針葉樹的清涼感
  • β-カリオフィレン(caryophyllene): スパイシー・ウッディな深み

土・松・甘さ」という古典的なヘルバル系の香り。THC 高含有株の rich で複雑な香りより、穏やかでクリーンな香り が特徴。

効果プロファイル(報告されている傾向)

ACDC は精神作用(ハイ)をほぼ持たないため、他の高 THC 品種とは別の効果プロファイル となる:

  • 身体的弛緩(精神作用ではなく、純粋な身体感の変化)
  • 痛覚調整
  • 抗炎症の研究文脈
  • 不安緩和(高 CBD・低 THC で不安副作用を避けやすい)
  • 集中力の維持(ハイにならないため、日中使用が可能)

医療文脈で取り上げられる症状:

  • てんかん(難治性てんかんの研究)—— Charlotte’s Web と並ぶ研究対象
  • 慢性疼痛(神経障害性疼痛・線維筋痛症など)
  • 不安障害・PTSD
  • 化学療法に伴う悪心・嘔吐(THC とは別経路の研究)
  • 自閉スペクトラム症の周辺症状

これらは品種固有ではなく、CBD の薬理作用(別記事「CBD とは」参照)に由来する。大規模臨床試験での確立された治療効能はない が、観察研究・小規模試験で報告が蓄積されている。

副作用(報告されているもの)

  • 倦怠感・眠気
  • 食欲不振
  • 下痢(高用量で)
  • CYP 酵素阻害による薬物相互作用(別記事「CBD とは」参照)

Cannatonic との関係

ACDC は Cannatonic という別の CBD 優位品種の表現型(フェノタイプ)から選抜された。Cannatonic は Resin Seeds(スペイン)が育種した品種で、CBD:THC が 1:1〜1:5 程度の安定したバランスを持つ。Lawrence Ringo / SoHum Seeds が Cannatonic から より極端に CBD 優位な個体 を選抜したのが ACDC の起源とされる。

Cannatonic 自体も「CBD 革命」を象徴する品種として、Charlotte’s Web、Harlequin、ACDC とともに 2010 年代の医療大麻シーン形成に寄与した。

派生・関連品種

ACDC は CBD 優位品種カテゴリの中で参照点となるため、以下の品種が ACDC をベンチマークとして比較されることが多い:

  • Cannatonic(親系統)
  • Charlotte’s Web(別記事参照、独立系譜の CBD 優位品種)
  • Harlequin(別記事参照、CBD:THC ~5:2 のバランス型)
  • Sour Tsunami(別の高 CBD 品種)
  • Ringo’s Gift(ACDC の派生、Lawrence Ringo にちなむ)

文化的意義

ACDC は 2010 年代の医療大麻シーンの転換点 を象徴する品種である。それまで嗜好用市場が高 THC 化を進める中で、Charlotte’s Web(2011 年成立)とともに 「CBD 優位品種の商業価値」を確立 した代表例とされる。

Lawrence Ringo(2014 年逝去)は CBD 育種のパイオニア として業界に大きな足跡を残し、彼の死後も SoHum Seeds が ACDC とその派生品種の供給を続けている。

日本における CBD 製品との関係

日本では ACDC 系列の CBD 製品(オイル・サプリメント・化粧品)が、Δ9-THC 検出限界以下 の条件で輸入・流通している(2026 年 5 月時点)。茎・種子由来の原料に限定された CBD オイルとして、大麻取締法の規制対象外 で合法に流通する。

ただし日本国内では大麻草・大麻製品の 所持・使用・栽培・輸出入は大麻取締法および関連法令により規制 されており、原料部位・成分基準を満たした製品のみが合法に流通する。詳しくは別記事「CBD とは」を参照。

本記事は文化的・植物学的・医療文脈の解説を目的としており、特定の使用や製品購入を推奨するものではない。医療上の判断は必ず医師等の専門家に相談する必要がある。

出典

出典 — Sources

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