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品種図鑑 ハイブリッド Type I (THC 優位)

Bubblegum — 風船ガムの香りで三度カップを獲った古典

· 更新

品種データシート

系統
ハイブリッド
化学型
Type I (THC 優位)
THC
15-20%
CBD
<1%
由来
米国インディアナ州(1980年代)。1993年にオランダへ渡り安定化
主要テルペン
#myrcene#caryophyllene#limonene
風味
甘いガムベリーほのかな土
効果傾向
多幸感リラックス気分の高揚落ち着き

Bubblegum(バブルガム。Bubble Gum とも)は、名前のとおり 風船ガムを思わせる甘い香りで知られる古典的な品種である。1980 年代の米インディアナ州に始まり、1993 年にオランダへ渡って安定化された。1994・1995・1999 年のハイ・タイムズ・カンナビス・カップを制した実績を持ちながら、正確な系譜は今も分かっていないという、少し変わった来歴の一株だ。

ひとことで言うと

「甘い香り」で三度カップを獲った、系譜不明の名株。フレーバー志向の品種づくりの、ひとつの原点。

概要

物語は 1980 年代のインディアナ州で、ある栽培家が育てていた株から始まる。この株は、その正確な交配元が記録されていない。今日に至るまで、Bubblegum の系譜は謎のままである。

転機は 1993 年。このインディアナの栽培家が、3 つの異なる雌のフェノタイプを、オランダの育種家たちに託した。受け取ったのは、T.H. Seeds の Adam、そして Cerebral Seeds の Simon と Tony である。Simon はのちに Serious Seeds を、Tony は Sagarmatha Seeds を興した。

興味深いのは、同じ Bubblegum から出発しながら、育った方向が分かれたことだ。T.H. Seeds の Adam は自分の系統を 「ややインディカ寄り」 と説明し、Cerebral Seeds の Simon は自分のものを 「ややサティバ寄り」 と表現した。つまり「Bubblegum」という名前の下には、複数の異なる株が存在してきた。

1990 年代、オランダの育種家たちはこの株の可能性を見抜き、遺伝子の安定化に取り組んだ。香り・効き・生育の一貫性を確保する作業を経て、Bubblegum は カンナビス・カップを三度制する銘柄になった。

形態と特徴

  • 系統バランス: 系統によりインディカ寄り・サティバ寄りが分かれる(下記参照)
  • 見た目: 密なつぼみに、オレンジの雌しべ。樹脂がしっかり乗る
  • 香り: 甘いガム × ベリー × 花 × ほのかな土——名前がそのまま香りを説明している
  • 栽培: 安定化が進んだ系統は扱いやすく、香りの再現性で評価される

化学組成

カンナビノイド

  • Δ9-THC: おおむね 15〜20% 程度(系統・栽培により幅がある)
  • CBD: 1% 未満

化学型は Type I(THC 優位) に分類される。現代の高 THC 品種と比べると穏やかな部類にあたる。

主要テルペン

テルペンは、植物が持つ香り成分で、品種ごとの香りの個性をつくる。Bubblegum で報告される主なものは次のとおり:

  • ミルセン(myrcene): 土っぽさ・果実感と、穏やかな身体への作用
  • β-カリオフィレン(caryophyllene): 黒コショウ様のスパイシー
  • リモネン(limonene): 柑橘の爽やかさ

「風船ガム」を思わせる甘い香りは、これらのテルペン構成に加え、品種特有の香気成分の組み合わせによるものとされる。なお、こうしたラベルと実際の成分・作用の関係には限界があることは「「インディカ=眠い」は本当か」で扱っている。

効果プロファイル(報告されている傾向)

バランス型〜ややインディカ寄りの品種として、以下の効果傾向が報告されている:

  • 多幸感・気分の高揚
  • 身体のリラックス
  • 穏やかで扱いやすいと語られることが多い
  • 夕方〜くつろぎの時間に向くとされる

医療文脈でユーザーレポートとして言及される症状:

  • ストレス・気分の落ち込み
  • 痛み
  • 食欲の低下

これらは Δ9-THC の薬理作用と、ミルセン主体のテルペン構成 の組み合わせとされる。大規模臨床試験で確立された治療効能はない

副作用(報告されているもの)

  • 口渇・眼の乾燥
  • 不安・パラノイア感(高 THC 品種で生じやすく、とくに多量摂取時)
  • めまい・眠気

派生・関連品種

  • 親系統: 不明。1980 年代インディアナの株に由来するが、交配元は記録されていない
  • 三つの系統: T.H. Seeds(ややインディカ寄り)、Serious Seeds(Simon)、Sagarmatha Seeds(Tony)がそれぞれ別の表現型を育てた
  • 甘い香りの系譜: Zkittlez など、後年のキャンディ系フレーバー品種の先駆けとして語られる
  • オランダで安定化された古典という点では Skunk #1Northern Lights と同じ時代の空気を持つ

文化的意義

  • フレーバー志向の先駆け:効きの強さではなく 香りそのものを看板にした、初期の代表例
  • 三度の受賞:1994・1995・1999 年のカンナビス・カップ制覇により、90 年代を象徴する銘柄になった
  • 系譜が分からない名株:大麻の品種名が必ずしも遺伝的な素性を保証しないことを示す、分かりやすい実例でもある
  • 一つの名前、複数の株:同じ「Bubblegum」でも、育てた育種家によって性格が異なるという点も、この品種の物語の一部である

日本国内における規制

日本国内では大麻草・大麻製品の 所持・使用・栽培・輸出入は大麻取締法および関連法令(現・大麻草の栽培の規制に関する法律、麻薬及び向精神薬取締法)により規制 されている。Bubblegum は嗜好用・医療用が合法な地域で流通してきた品種であり、本記事は文化的・植物学的な解説を目的としている。日本では所持・使用は違法であり、本記事は特定の使用を推奨するものではない。

出典 — Sources

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