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品種図鑑 CBD 優位 Type III (CBD 優位)

シャーロッツ・ウェブ — 医療大麻運動を象徴する CBD 優位品種

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品種データシート

系統
CBD 優位
化学型
Type III (CBD 優位)
THC
<0.3%
CBD
12-17%
由来
米国コロラド州 (2011 年)
成立年
2011
親系統
産業ヘンプ系統 (詳細非公表)
主要テルペン
#myrcene#pinene#caryophyllene
風味
木の質感
効果傾向
鎮静(精神作用なし)リラックス痛覚調整抗炎症の研究文脈

Charlotte’s Web(シャーロッツ・ウェブ)は、精神作用(ハイ)を起こさず、CBD の働きを医療文脈で活用する ことを目的に育種された、現代の医療大麻運動を象徴する品種。難治性てんかんを患っていた少女 シャーロット・フィギ の名前から命名され、彼女の発作減少を扱った CNN ドキュメンタリーで世界的に知られるようになった。

ひとことで言うと

米国の 医療大麻運動の象徴的存在 となった品種。難治てんかんの少女に向けて育種された経緯から「医療目的で最も語られる大麻品種」の 1 つとして知られる。

概要

Charlotte’s Web は、それまでの大麻品種改良の主流(THC 高含有を狙う方向性)を 逆転 させた品種である。CBD 優位・THC 極小 という化学組成を意図して育種された最初期の代表例で、後の Epidiolex(2018 年 FDA 承認の CBD 単一製剤、別記事「CBD とは」参照)など医薬品開発の流れを文化的に先導した。

精神作用(ハイになる作用)を ほぼ持たない ため、以下の特徴を持つ:

  • 子どもや高齢者への医療文脈での使用研究の対象になる
  • 米国の多くの州で 「ヘンプ品種」 として連邦法上の規制対象から除外されることがある
  • 嗜好用としての価値はほぼなく、医療・健康サプリメント用途が中心

形態と特徴

  • 樹高: 中(70-150 cm)
  • 開花期: 9-10 週間
  • 収量: 中程度
  • 耐病性: 中程度
  • 見た目: 細長い蕾、明るい緑、淡い橙色のピスティル、比較的少ないトライコーム(THC 高含有株より)

THC 高含有品種に比べて トライコーム被覆が薄め で、視覚的には他の代表品種と比べると地味な見た目である。これは樹脂腺の量が少ないことと相関する。

化学組成

カンナビノイド

  • CBD: 12-17%(現代品種の中で高い水準)
  • Δ9-THC: 0.3% 未満(米国 Farm Bill のヘンプ基準を満たす)
  • CBG・CBN: 微量

主要テルペン

  • ミルセン(myrcene): ハーブ・土的な香り
  • α-ピネン(pinene): 松・針葉樹的な清涼感
  • β-カリオフィレン(caryophyllene): スパイシー

効果プロファイル(報告されている傾向)

Charlotte’s Web は 精神作用(ハイ)をほぼ持たない ため、他の高 THC 品種とは効果プロファイルが大きく異なる:

  • リラックス感(精神作用ではなく身体的な弛緩)
  • 痛覚調整(慢性疼痛への研究)
  • 抗炎症の研究文脈(関節炎などの動物試験ベース)
  • 不安緩和(社会不安障害などの小規模試験)

医療文脈で本格的に取り上げられる症状:

  • 難治性てんかん(レノックス・ガストー症候群、ドラベ症候群)—— Epidiolex の系列につながる研究
  • 不安障害(別記事「CBD と社会不安障害の臨床研究」参照)
  • 慢性疼痛

WHO の 2018 年評価レポートで CBD は乱用ポテンシャル・依存性が低い と結論されており、Charlotte’s Web のような CBD 優位品種は嗜好用大麻と異なる扱いを受けることが多い。

副作用(報告されているもの)

  • 倦怠感・眠気
  • 食欲不振
  • 高用量で肝酵素値の上昇(医薬品 Epidiolex で報告)
  • CYP 酵素阻害による薬物相互作用(別記事「CBD とは」参照)

文化的意義

Charlotte’s Web は 2013 年の CNN ドキュメンタリー “Weed”(Sanjay Gupta 取材)で取り上げられたことで世界的に知られた。難治性てんかんで日に数百回の発作を起こしていたシャーロット・フィギ(当時 5 歳)が、Charlotte’s Web の使用後に発作頻度が大幅に減少した経緯が報告された。

この報道は:

  • 米国の 複数州での医療大麻法整備 を加速させた
  • CBD 単一成分医薬品(Epidiolex) の開発と FDA 承認(2018 年)につながる文化的・政治的潮流を作った
  • 大麻 = 嗜好用ハイ」という単純化された認識を変える契機となった

シャーロット・フィギは 2020 年に他の疾患で他界したが、Charlotte’s Web の名前は CBD 医療応用の象徴 として残されている。

Stanley Brothers と現代 CBD 産業

育種者の Stanley Brothers(コロラド州 6 兄弟の家族企業)は、Charlotte’s Web をきっかけに Charlotte’s Web Holdings として上場企業になり、CBD 製品(オイル・サプリメント・化粧品)を北米で大規模流通させた。米国 Farm Bill(2018 年)による産業ヘンプ規制緩和とともに、CBD 産業の主要プレイヤーの一つとなった。

日本における CBD 製品との関係

日本では Charlotte’s Web 系列の CBD オイルを含む製品が、Δ9-THC 検出限界以下 の条件で輸入・流通している(2026 年 5 月時点)。ただし日本国内では大麻草・大麻製品の 所持・使用・栽培・輸出入は大麻取締法および関連法令により規制 されており、原料部位(茎・種子に限定)・成分基準を満たした製品のみが合法に流通する。詳しくは別記事「CBD とは」を参照。

本記事は文化的・植物学的・医療文脈の解説を目的としており、特定の使用や製品購入を推奨するものではない。医療上の判断は必ず医師等の専門家に相談する必要がある。

出典

出典 — Sources

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