基礎知識 — 歴史と社会 — 米国
1996 年カリフォルニア州 Proposition 215 — 現代医療大麻合法化の起点
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1996 年 11 月 5 日、米国カリフォルニア州で住民投票により可決された Proposition 215(プロポジション 215、別名 Compassionate Use Act of 1996、慈悲ある使用法)は、米国で初の州レベル医療大麻合法化 を実現した法律である。これは 1937 年マリファナ税法以来 60 年ぶりに、米国の州レベルで大麻使用の合法的経路を開いた 歴史的な転換点であり、後の世界的な医療大麻合法化の波の起点となった。
1980 年代以降、米国では AIDS 危機 の中で、患者の食欲不振・悪心・体重減少への対処として、医療目的の大麻使用 を求める声が高まっていた。サンフランシスコを中心に、患者団体 が医療用途での大麻アクセスを訴える運動を展開した。
サンフランシスコを拠点に デニス・ペロン(Dennis Peron)らが運営した「サンフランシスコ・カナビス・バイヤーズ・クラブ」は、AIDS 患者を中心に医療目的での大麻供給を行う非公式組織として知られた。これがカリフォルニア州の住民発議運動の母体の一つとなった。
Proposition 215 は カリフォルニア州健康安全法典 11362.5 条 として成文化された。主な内容:
Proposition 215 可決後、連邦法と州法の二層構造 が生じた:
Proposition 215 をきっかけに、米国の 医療用大麻合法化の波 が広がった:
世界的にも、Proposition 215 以降の米国の動きは 2018 年カナダ嗜好用合法化、2024 年ドイツ部分合法化 など、各国の医療・嗜好用合法化議論の参照例となった。
Proposition 215 は当初、医療大麻の供給ルート を明確に定めていなかったため、運用上の問題が継続的に指摘された。後の州法で:
2024-2026 年にかけて、米国 DEA・HHS は大麻の連邦法での Schedule III への引き下げ(リスケジューリング)を議論している。これが実現すれば、Proposition 215 以来の連邦法と州法のギャップが大きく縮小する可能性がある。詳しくは別記事「米国 DEA の大麻リスケジューリング」を参照。
カリフォルニア州を含む医療合法化州での 長期実績 は、医療大麻政策の効果を評価する研究材料となっている。慢性疼痛・がん緩和ケア・難治性てんかんなどの分野で、患者の治療選択肢としての位置づけが評価されてきた。
カリフォルニア州の Proposition 215 は、カナダ、欧州、イスラエル、オーストラリア、タイ など各国の医療大麻プログラム策定で参照例として引用された。法律の包括性、医師の推薦制度、患者中心の運用などの設計思想が議論された。
1996 年カリフォルニア州 Proposition 215 は、米国で初の州レベル医療大麻合法化 を実現した歴史的な法律であり、その後 30 年にわたる 世界的な医療大麻合法化の波の起点 となった。連邦法とのギャップ、運用上の課題、後続州法による補完など、複雑な経緯を辿ってきたが、医療大麻政策の代表的な参照例として位置づけられている。日本国内では大麻草・大麻製品の所持・使用・栽培・輸出入は大麻取締法および関連法令により規制されており、本記事は歴史的経緯の解説を目的としている。
出典 — Sources
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