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ヘンプCBD由来の新バイオプラ「pCBDC」— 沸騰水に耐えPET代替を狙う
米国の コネチカット大学(UConn)とパデュー大学 の研究チームが、ヘンプ由来の CBD(カンナビジオール) を原料につくる新しい熱可塑性プラスチック 「ポリカンナビジオールカーボネート(pCBDC)」 を発表した。元の長さの 16 倍(1,600%)まで伸び、沸騰水に触れても形状を保つ など、ペットボトルなどに使われる石油由来プラスチック PET の代替 を狙える性能を示したという。研究は学術誌 Chem Circularity(Cell Press)に掲載された。ただし、CBD の世界的な供給量とコスト が実用化の大きな壁になると研究チーム自身が指摘している。
pCBDC(polycannabidiol carbonate)は、ヘンプから得た CBD を化学的に重合(つなげて高分子化) してつくる熱可塑性樹脂。報告された主な性能は次のとおり:
研究チームは、応用先として次のような分野を挙げている:
使い捨てプラスチック(とくに PET)の環境負荷は世界的な課題で、植物由来で代替できる素材 の研究が活発に進んでいる。一方、従来の植物由来ポリマーの多くは 熱に弱い・柔軟性に欠ける といった弱点があった。pCBDC は、耐熱性と伸縮性を両立した点が新しいとされる。
ヘンプ(産業用大麻)は、繊維・種子・建材(別記事「ヘンプ建材ヘンプクリート」)など多用途の作物だが(別記事「産業用ヘンプの概要」)、CBD を 素材産業の原料 として使う道は、ヘンプの新たな市場になりうると期待されている。
研究チーム自身が明言しているとおり、世界の CBD 生産量は、PET を全面的に置き換えられるほど多くない。また CBD は PET の原料よりはるかに高価であるため、当面の現実的な用途は、素材コストが全体に占める割合が小さい高付加価値分野(医療機器・電子部品など)に限られる。
これは 実験室レベルで性能を示した段階 であり、量産技術・耐久性・コスト・環境影響評価(製造から廃棄までの総合的な持続可能性)など、実用化に向けて検証すべき点が多く残っている。
pCBDC は、CBD を 摂取(食品・サプリ)するのではなく、素材としてつくり変える 応用である。大麻・ヘンプ由来成分の用途が、医療・嗜好の枠を越えて 工業素材 にまで広がりうることを示す事例として注目される。
本研究は米国の素材科学の成果。日本国内では大麻草・大麻製品の所持・使用・栽培・輸出入は 大麻取締法および関連法令 により規制されている。CBD については、Δ9-THC の残留限度値以下のものが日本では合法に流通しているが、本記事は工業素材としての研究の解説であり、特定の製品や使用を推奨するものではない。なお、CBN のように国内で新たに規制対象となる成分もあり(別記事「日本、CBN を指定薬物に」)、成分ごとの国内の扱いは関連法令の最新情報を確認する必要がある。
米コネチカット大・パデュー大の研究チームは、ヘンプ由来 CBD からつくる熱可塑性樹脂 pCBDC を Chem Circularity に発表した。伸び 1,600%・沸騰水耐性・92% バイオマス由来・PET 並みの加工性 という性能で、石油由来プラの持続可能な代替を狙う。一方で、CBD の供給量とコスト が壁となり、当面は高付加価値用途に限られる研究段階である。大麻・ヘンプ由来成分が工業素材にまで広がりうることを示す成果として、今後の量産・コスト・環境評価の進展が注目される。
出典 — Sources
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