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品種図鑑 — ハイブリッド — Type I (THC 優位)

ゲイリー・ペイトン(Gary Payton) — 背番号20から名づけられたガス系品種

文責 ·

品種データシート

系統
ハイブリッド
化学型
Type I (THC 優位)
THC
20-28%
CBD
<1%
由来
米国(Powerzzzup Genetics が作出し、Cookies と組んで発売)
親系統
The Y × Snowman
主要テルペン
#caryophyllene#limonene#linalool
風味
ディーゼル(ガス)胡椒ベリー柑橘ラベンダー
効果傾向
多幸感陽気さリラックス体の重さ(高用量で)

Gary Payton(ゲイリー・ペイトン)は、The Y と Snowman を掛け合わせたハイブリッドである。GP と略されることもある。

名前は、1990 年代にシアトル・スーパーソニックスで活躍した NBA の名ポイントガード、ゲイリー・ペイトンから取られている。作出は Powerzzzup Genetics。カリフォルニアの大麻ブランド Cookies と組んで世に出た品種で、本人から名前の使用許可を得ている。

ひとことで言うと

選手の背番号から名前がついた品種。種から育てた候補のなかで、残すことに決めた個体が 20 番目だった。ゲイリー・ペイトンが現役時代につけていた背番号も 20。この偶然から、品種の名前が決まった。

香りの特徴は、部屋に広がるほど強いディーゼル(燃料)のような香りと、胡椒のようなスパイス感である。

系譜

親

  • The Y
  • Snowman

この 2 つの親のさらに上の系譜は、資料によって書き方が違い、確かめられなかった。なお Weedmaps は、親のリンク先として「Y Life」という品種も挙げており、The Y との関係ははっきりしない。

「20 番目」が選ばれるまで

Leaf Magazine によると、経緯は次のとおりである。

  • Powerzzzup Genetics の育種家 Kenny が、The Y と Snowman を交配した
  • 種から育てた個体のなかから、20 番目の個体(フェノタイプ #20) を、残して増やす「キーパー」に選んだ
  • Kenny は Cookies の創業者 Berner と知り合いで、Berner が サンフランシスコ・ベイエリアの共通の知人を通じてゲイリー・ペイトン本人に連絡を取った
  • 両者は、ペイトンの 名前と肖像の使用許可(ライセンス) について合意した

フェノタイプとは、同じ親から生まれた兄弟株のなかでの「個体ごとの違い」のことである。同じ交配の種でも、香りや形は一株ずつ違う。そのなかから一株を選び、挿し木で増やしていくのが現代の品種づくりの基本である。

資料による違い

  • 育種家の名前: Leaf Magazine は「Kenny」とだけ書いている。Leafly と Weedmaps は姓まで挙げているが、両者の表記が一致しないため、本記事では名だけを記す
  • 作出の名義: Leafly は「Powerzzzup Genetics と Cookies の共同」、Weedmaps は「Powerzzzup Genetics と Cookies」としている

形態と特徴

  • 系統バランス: Leafly と Weedmaps は ハイブリッドとしている
  • 香り: Leaf Magazine は、袋を開けると ディーゼルのような強いガスの香りが部屋に広がると書いている。Weedmaps のユーザー投稿では、香りの内訳が ディーゼル 39%、ブルーベリー 34%、レモン 27%(2026 年 10 月時点)
  • 味: Leafly は アプリコット、胡椒、ラベンダーを挙げている
  • 栽培: Leafly は栽培の難しさを「難しい」としている。開花期間は 8〜9 週とされる

化学組成

カンナビノイド

  • Δ9-THC: おおむね 20〜28%
  • CBD: ほとんど含まれない
  • CBG: 1% 前後(Leafly)

化学型は Type I(THC が優位) に分類される。

数値は資料ごとに違う。Weedmaps は 20〜28%、Leafly は 22% としている。市販品の検査値は、検査機関や測定条件によってばらつきうる。

主要テルペン

テルペンは植物が持つ香りの成分で、品種ごとの香りの個性をつくる。Gary Payton で報告される主なものは次のとおり。

  • β-カリオフィレン(caryophyllene): 胡椒のようなスパイス感。Leafly で最も多い成分とされ、Leaf Magazine も検査で多く出ると書いている
  • D-リモネン(limonene): 柑橘の明るさ
  • リナロール(linalool): ラベンダーのような花の香り

Leafly が味に「胡椒」「ラベンダー」を挙げているのは、この成分の組み合わせとよく合っている。

効果プロファイル(報告されている傾向)

ユーザーレビューにもとづく傾向として、以下が報告されている。資料によって書き方の重心が違う。

  • Leafly: 「陽気になる」「リラックス」「多幸感」が多く挙がる
  • Weedmaps: 気分の高まりと、集中した感じがあり、その下に体の落ち着きがあるとする
  • Leaf Magazine: **体が重くなる(カウチロック)**ような強い作用があるとし、慣れていない人は少量にとどめるよう書いている

これらは Δ9-THC の作用と、テルペンの構成の組み合わせとされる。大規模な臨床試験で確かめられた治療効果はない。

副作用(報告されているもの)

  • 口の渇き
  • 不安感、被害妄想のような感覚(Leafly)
  • THC が高い品種であるため、量が多いと不安が強まることがあるとされる

派生・関連品種

Leafly は、Gary Payton を親に持つ品種として次を挙げている。

  • Beaver Cookies(BeCo)
  • Pressure

文化的意義

  • 有名人の名前を正式に使った品種。Gary Payton は、本人と名前・肖像の使用許可の契約を結んで発売された例として紹介されている(Leaf Magazine)
  • Cookies という「ブランド」の力。Cookies は Girl Scout Cookies で知られるカリフォルニアの大麻ブランドで、Gary Payton は他の育種家が作った株を Cookies が世に出した例である。品種の価値が「どの個体か」と「誰が出すか」で決まる世界については、「大麻の苗1本に2万ドル」でも扱った
  • ガスの香りの流行。強いディーゼルの香りは、ここ数年の米国で好まれてきた特徴の一つである(「Leafly『今年の品種』選考が大詰め」参照)

日本国内における規制

日本国内では大麻草・大麻製品の 所持・使用・栽培・輸出入は大麻取締法および関連法令(現・大麻草の栽培の規制に関する法律、麻薬及び向精神薬取締法)により規制 されている。Gary Payton は嗜好用・医療用が合法な地域で流通する品種であり、本記事は文化的・植物学的な解説を目的としている。日本では所持・使用は違法であり、本記事は特定の使用を推奨するものではない。

出典 — Sources

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