基礎知識 — 主な成分
カンナビノイド全成分カタログ — 植物由来・半合成・合成の網羅一覧
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基礎知識 — 主な成分
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「カンナビノイド」と一括りにされる物質群は、実はさまざまな起源を持つ。本記事は 大麻草に自然に含まれる成分(植物由来)、ヘンプ由来 CBD などから化学変換された成分(半合成)、実験室で完全に人工合成された成分(合成)の 3 大別で整理した網羅カタログ。各成分名から個別解説記事へリンクしている。
カンナビノイドの大分類:
各起源で 薬理特性・規制状況・流通実態が大きく異なる ため、起源別に把握することが理解の出発点となる。詳しくは別記事「内因性・植物性・合成カンナビノイドの違い」を参照。
Cannabis sativa L. には現在 100 種類以上のカンナビノイドが同定されているとされる。本セクションでは主要な成分と、研究文脈で頻繁に登場するマイナー成分を取り上げる。
| 成分 | 別名 | 精神作用 | 個別記事 |
|---|---|---|---|
| Δ9-THC | デルタ 9 テトラヒドロカンナビノール | あり (CB1 部分作動薬) | THC とは |
| CBD | カンナビジオール | ほぼなし | CBD とは |
Δ9-THC と CBD は、大麻草が生合成する量と研究の蓄積において突出した 2 大成分。多くの大麻品種でこの 2 成分が乾燥重量の数 % から 30% 程度を占める。
| 成分 | 別名 | 特徴 | 個別記事 |
|---|---|---|---|
| CBN | カンナビノール | THC の酸化分解物。鎮静作用研究 | CBN とは |
| CBG | カンナビゲロール | 「カンナビノイドの母」。すべての前駆体 | CBG とは |
| CBC | カンナビクロメン | 非精神作用。抗炎症・抗うつ研究 | CBC とは |
| THCV | テトラヒドロカンナビバリン | 食欲調節・代謝研究 | THCV とは |
| CBDV | カンナビジバリン | 抗てんかん研究の対象 (個別記事は後日追加予定) | — |
植物中では多くが酸性型 (末尾 A) として存在し、加熱・脱炭酸で活性型に変わる。
| 酸性型 | 加熱後 | 詳細 |
|---|---|---|
| THCA | Δ9-THC | 酸性型と活性型の違い |
| CBDA | CBD | 同上 |
| CBGA | CBG (各カンナビノイドの前駆体) | 同上 |
| CBNA | CBN | 同上 |
THCA・CBDA はそれぞれ独自の薬理学的研究が報告されているが、いずれも植物中の存在形態として捉えるのが標準的。
ヘンプ由来 CBD などを 化学的に変換 して作られるカンナビノイド群。米国 2018 年 Farm Bill のヘンプ規制緩和以降、「合法ヘンプ由来」をうたって北米・欧州で流通が拡大し、各国の規制が後追いしている領域。
| 成分 | 由来 | 日本での規制 | 個別記事 |
|---|---|---|---|
| Δ8-THC (デルタ 8) | CBD 異性化 | 麻向法の麻薬 (2024 年改正で明確化) | Δ8-THC とは |
| Δ10-THC (デルタ 10) | CBD 異性化 | 麻向法上の麻薬扱い (個別記事は後日追加予定) | — |
| HHC (ヘキサヒドロカンナビノール) | THC 水素化 | 指定薬物 (2022 年 3 月 17 日施行) | HHC とは |
| HHC-O アセテート | HHC アセチル化 | 指定薬物 (2023 年 6 月施行)、個別記事は後日 | — |
| THC-O アセテート | Δ9-THC アセチル化 | 指定薬物 (2023 年 6 月施行)、個別記事は後日 | — |
| Δ8-THC-O アセテート | Δ8-THC アセチル化 | 指定薬物 (2023 年 6 月施行)、個別記事は後日 | — |
| HHC-P | HHC のペンチル鎖延長型 | 指定薬物、個別記事は後日 | — |
| THC-P | THC のペンチル鎖延長型 | 指定薬物、個別記事は後日 | — |
詳しくは別記事「指定薬物制度と HHC など類似成分」を参照。
実験室で完全に化学合成された化合物群。2026 年時点で 医薬品 として承認されたもの、研究用試薬、そして 2010 年代以降の 違法流通の危険ドラッグ の 3 系統に大別される。
| 成分 (商品名) | 適応 | 承認国 (主要) | 個別記事 |
|---|---|---|---|
| ドロナビノール (Marinol) | 化学療法に伴う悪心・嘔吐、AIDS 関連の食欲不振 | 米国 FDA (1985)、他 | 個別記事は後日追加予定 |
| ナビロン (Cesamet) | 化学療法に伴う悪心・嘔吐 | カナダ・米国・英国 等 | 個別記事は後日追加予定 |
これらは Δ9-THC または THC 類似体を化学合成した単一成分の医薬品。植物由来の ナビキシモルス (Sativex) は植物抽出物なので合成ではないが、医療用カンナビノイド医薬品として並んで参照されることが多い (詳しくは別記事「Sativex と MS 痙縮研究」)。
CB1/CB2 受容体の薬理学的研究のために設計された合成化合物。市販されておらず研究機関のみが扱う。
| 成分 | 用途 | 個別記事 |
|---|---|---|
| HU-210 | CB1 強力作動薬の標準物質 | 後日追加予定 |
| CP 55,940 | CB1/CB2 標準作動薬 | 後日追加予定 |
| WIN 55,212-2 | CB1/CB2 作動薬 | 後日追加予定 |
これらは Cannabis sativa とは化学構造が大きく異なるが、CB 受容体への作用を持つため「合成カンナビノイド」と総称される。
「スパイス」「K2」「ハーブ系」などの名称で 2010 年代から世界各国で違法流通した製品群。CB1 受容体への 完全作動薬 が多く、植物性 Δ9-THC (部分作動薬) より重篤な有害事象 (痙攣・心血管イベント・死亡例) が報告されている。日本では指定薬物制度のもと順次規制対象に追加された。
代表例 (いずれも日本で指定薬物指定済み):
これらは現在も新しい構造の派生物が市場に投入され続けており、各国の指定薬物制度・規制物質法での 包括指定 が対策として用いられている。
参考として補足するが、本カタログの主対象 (大麻成分・合成成分) とは別カテゴリ。人体・動物が自分で合成する カンナビノイド類似物質。
| 成分 | 同定年 | 説明 |
|---|---|---|
| アナンダミド (AEA) | 1992 年 | 最初に同定された内因性カンナビノイド |
| 2-アラキドノイルグリセロール (2-AG) | 1995 年 | AEA より高濃度で存在 |
詳しくは別記事「エンドカンナビノイド・システム」を参照。
国内の規制概観 (日本):
国際機関の評価:
各国の規制は時点・対象成分により大きく異なるため、海外渡航時・輸入時には各国の最新法令の確認が必要となる。
本記事は文化的・植物学的・医療文脈の解説を目的としており、特定の使用や製品購入を推奨するものではない。日本国内では大麻草・大麻製品の所持・使用・栽培・輸出入は大麻取締法および関連法令により規制されている。医療上の判断は必ず医師等の専門家に相談する必要がある。
出典 — Sources
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