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品種図鑑 — ハイブリッド — Type I (THC 優位)

トロピカーナクッキーズ(Tropicana Cookies) — オレンジが香るGSC×タンジー

文責 ·

品種データシート

系統
ハイブリッド
化学型
Type I (THC 優位)
THC
15-20%
CBD
<1%
由来
米国(育種家 Harry Palms の作とされる。Bloom Seed Co / Oni Seed Co)
親系統
Girl Scout Cookies × Tangie
主要テルペン
#caryophyllene#limonene#linalool
風味
オレンジトロピカル柑橘クッキーのような甘さ
効果傾向
集中活力気分の高揚

トロピカーナクッキーズ(Tropicana Cookies)は、ガールスカウトクッキーズ(GSC) と タンジー を掛け合わせたとされる、サティバ寄りのハイブリッドである。名前のとおり、オレンジのような柑橘の香りと、紫がかった花穂にオレンジ色のめしべが目立つ見た目で知られる。

2024 年に大麻情報サイト Leafly の「今年の品種」に選ばれた スーパーブーフ(Super Boof)の親の一方でもある。

ひとことで言うと

クッキー系の甘さに、タンジー譲りのオレンジの香りを足した株。Leafly では「集中」「活力」「気分の高揚」がよく挙がる。

系譜

2 つの親

親どんな株か
ガールスカウトクッキーズ(GSC)2010 年代の米国を代表するハイブリッド。OGクッシュ と ダーバンポイズン の血を引くとされる
タンジータンジェリンの香りで知られる柑橘系のサティバ寄り品種

Leafly、品種データベースの SeedFinder、米国の大麻誌 Leaf Magazine など、確認した資料はどれも GSC × タンジー としている。Leaf Magazine は、使われた GSC を、ネットの掲示板で出回ったクローン(フォーラム・カット)だと書いている。

誰が作ったのか

米国の育種家 Harry Palms(ハリー・パームス)の作とされる。所属については資料で書き方が分かれる。

  • Leafly と SeedFinder は「Bloom Seed Co の Harry Palms が作った」としている
  • Leaf Magazine は、Harry Palms が Oni Seed Co にいたころに作ったとしている
  • コロラド州の Oni Seed Co は、その後に第 2 世代(F2)を出した

名前の揺れ

綴りが 1 つの「Tropicana」と 2 つの「Tropicanna Cookies」が混ざって使われている。ほかに「MTN Trop」「Trop Cookies」とも呼ばれる。ある資料は、同じ名前でも中身(クローンや種の系統)が同じとは限らないと注意している。

形態と特徴

  • 系統バランス: サティバ寄りのハイブリッド。SeedFinder は「主にサティバ」としつつ、葉は広く、花穂はインディカのように締まると書いている
  • 見た目: 紫の花穂に濃い緑が混じり、オレンジ色のめしべが目立つ(Leafly、SeedFinder)。Leaf Magazine は、蛍光のような明るい緑に濃い紫が入ると表現している
  • 香りと味: Leafly では オレンジ、トロピカル、柑橘。Leaf Magazine は、タンジェリンのような香りに、胡椒や土っぽさ、クッキーのような甘さが続くとしている
  • 開花期間: 約 9〜10 週(SeedFinder の Oni Seed Co 版)

化学組成

カンナビノイド

  • Δ9-THC: Leafly の表示は 16%。米国の州の検査記録 347 件をまとめた資料では、中央値が 16.8%、真ん中の半分が 15.0〜19.8% だった
  • CBD: ほとんど含まれない。同じ資料では、CBD を報告した 113 件のうち 1% に届いたものはなかった

化学型は Type I(THC が優位) に分類される。市販品の検査値は、検査機関や測定条件によってばらつきうる。

主要テルペン

テルペンは植物が持つ香りの成分で、品種ごとの香りの個性をつくる。Leafly が挙げる主なものは次のとおり。

  • β-カリオフィレン(caryophyllene): 胡椒のようなスパイス感
  • D-リモネン(limonene): 柑橘の明るさ
  • リナロール(linalool): ラベンダーのような花の香り

Leaf Magazine は 3 つめを フムレン(humulene、ホップのような香り)としている。先の検査記録の資料も、テルペンのデータは 23 件しかなく、品種全体の特徴を決めるには足りないとしている。

効果プロファイル(報告されている傾向)

ユーザーレビューにもとづく傾向として、以下が報告されている。

  • Leafly では「集中」「活力」「気分の高揚」が多く挙がる
  • Leaf Magazine は、すぐに多幸感が来て、そのあと昼向きの目が冴える感じに移ると表現している

これらは Δ9-THC の作用と、テルペンの構成の組み合わせとされる。大規模な臨床試験で確かめられた治療効果はない。なお、28 本の研究をまとめた 2026 年 10 月の総説は、「インディカ」「サティバ」「ハイブリッド」というラベルでは成分や効き方をほとんど予測できないと結論づけている。「サティバ寄りだから元気になる」とは言い切れない。

副作用(報告されているもの)

Leafly では、次のものが挙がっている。

  • 不安
  • 口の渇き
  • めまい

派生・関連品種

  • スーパーブーフ(Super Boof): ブラックチェリーパンチ × トロピカーナクッキーズとされる。Leafly によると、カリフォルニアの育種家 Blockhead が 2019 年に「Blockberry」の名で作り、ミシガン州の生産者 Mobilejay が選んだ株に「Super Boof」と名づけて 2021〜2022 年に広まった。Leafly の 2024 年「今年の品種」(「Leafly『今年の品種』2026 年のレース」参照)
  • Trop Cherry: Leafly でトロピカーナクッキーズの子として挙がっている

文化的意義

  • 大会での評価。Oni Seed Co 版は、2019 年の IC 420 Growers Cup でサティバ部門の 1 位になったとされる(SeedFinder、Leaf Magazine)
  • 抽出物の作り手に人気。Leaf Magazine は、柑橘の香りが強いことから、濃縮物(コンセントレート)を作る人のあいだですぐに人気になったと書いている
  • 次の世代の親に。子のスーパーブーフが Leafly の「今年の品種」に選ばれ、柑橘とクッキー系の組み合わせが、その後の人気品種にも受け継がれている
  • 評価の数。Leafly では 494 件の評価が集まり、平均は 5 点満点で 4.5(2026 年 10 月 29 日時点)

日本国内における規制

日本国内では大麻草・大麻製品の 所持・使用・栽培・輸出入は大麻取締法および関連法令(現・大麻草の栽培の規制に関する法律、麻薬及び向精神薬取締法)により規制 されている。トロピカーナクッキーズは嗜好用・医療用が合法な地域で流通する品種であり、本記事は文化的・植物学的な解説を目的としている。日本では所持・使用は違法であり、本記事は特定の使用を推奨するものではない。

出典 — Sources

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