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品種図鑑 ハイブリッド Type I (THC 優位)

Future #1 — 「THC 37%」を掲げる Gorilla Glue #4 の子

文責 ·

品種データシート

系統
ハイブリッド
化学型
Type I (THC 優位)
THC
30-37%(育成元の検査値)
CBD
<1%
由来
Anesia Seeds(スペインと米国の育種家によるチーム)。2010年代半ば
親系統
Gorilla Glue × Starfighter F2
主要テルペン
#myrcene#limonene#pinene
風味
マンゴーパイナップル柑橘
効果傾向
強い多幸感身体の重さリラックス陶酔

Future #1(フューチャー・ワン)は、Gorilla Glue #4Starfighter F2 を掛け合わせた品種である。育種を手がけたのは Anesia Seeds。スペインと米国の育種家によるチームだとされる。

この品種の名前が知られているのは、ほぼ一つの理由による。育成元が「自社の繰り返しの検査で THC 37% を記録した」と公表したことだ。

ひとことで言うと

含有量の数字が先に来る品種。そして、その数字をどう受け取るかを考えさせられる一株でもある。

「37%」をどう読むか

先に、この数字の性格をはっきりさせておきたい。

  • これは育成元が公表した自社の検査値である。第三者機関による独立した検証の公開資料は確認できなかった
  • どの研究室で、どの方法で、どの個体を測ったのかは公開されていない
  • 販売店の表記は 30〜35% とするものも多く、37% は上限の値として扱われている

大麻の花の THC 含有量は、測定方法や検体の取り方で大きく変わる。同じ株でも、花の先端だけを測るか全体を測るかで結果が違う。乾燥の度合いでも変わる。北米の市場では、より高い数値を出す検査機関に検体を持ち込む慣行が問題として指摘されてきた。

30% を超える値は、花としては極端に高い部類にあたる。あり得ないとは言えないが、測定条件が示されない数値を、品種同士の比較に使うことはできない

この問題は、Apple Fritter の記事でも「世界最強品種リスト」の読み方として触れた。品種名と実際の組成のずれについては「『インディカ=眠い』は本当か」も参照。

概要

作出は 2010 年代半ばとされる。Anesia Seeds は、スペインと米国の育種家によるチームで、15 年以上にわたって品種づくりを続けてきたと自称している。種子はドイツやオーストリアの販売店を通じて流通しているが、会社自体がドイツの企業というわけではない

名前の 「Future」 は、含有量の競争において一歩先に出たという主張を含んでいると読める。

親系統

  • Gorilla Glue #4 — 樹脂の多さで知られる米国の品種。Chem Sister × Sour Dubb × Chocolate Diesel という系譜を持ち、2010 年代の高含有量競争の中心にいた
  • Starfighter F2 — Alien Tahoe × Lemon Alien Dawg の系統とされる品種の第2世代

つまり もともと含有量の高い系統どうしを掛け合わせている。37% という数字の当否はともかく、その方向を狙った交配であることは系譜から読み取れる。

形態と特徴

  • 系統バランス: 育成元は 50:50 と表記している。一方、遺伝マーカーの分析では インディカ側の比率が高いとする記述もあり、資料によって説明が分かれる
  • 開花期間: 9〜10 週
  • 収量: 育成元の表記で 500 g/m²、1 株あたり最大 700 g
  • 香り: マンゴー × パイナップル × 柑橘。奥に松

化学組成

カンナビノイド

  • Δ9-THC: 30〜37%(育成元および販売店の表記)
  • CBD: 1% 未満

化学型は Type I(THC 優位) に分類される。

**耐性の低い人には、作用が非常に強く出る可能性がある。**含有量が高い品種ほど、不安やパラノイア感といった不快な反応が生じやすいことが報告されている。

主要テルペン

テルペンは植物が持つ香り成分で、品種ごとの香りの個性をつくる。Future #1 で報告される主なものは次のとおり:

  • ミルセン(myrcene): 土っぽさと身体に来る重さ
  • リモネン(limonene): 柑橘の明るさ。マンゴーやパイナップルの印象を支える
  • ピネン(pinene): 松の清涼感

モノテルペンの比率が高いとする分析の記述があり、テルペン総量は 2.0〜3.5% 程度とされる。ネロリドールに触れる資料もある。ただしこれらも、測定条件の明示された第三者データではない。

テルペンと受容体の関係は「テルペンとカンナビノイド受容体活性化(前臨床研究)」も参照。

効果プロファイル(報告されている傾向)

均衡型と表記されているが、報告される傾向は次のとおり。

  • 立ち上がりが速く、強い多幸感
  • そこから 身体の重さへ移行する
  • 経験の浅い人には勧められない、という評価が多い

医療文脈でユーザーレポートとして言及される症状:

  • 痛み
  • ストレス・気分の落ち込み
  • 食欲の低下

これらは Δ9-THC の薬理作用と、テルペン構成の組み合わせとされる。大規模臨床試験で確立された治療効能はない

副作用(報告されているもの)

  • 口渇・眼の乾燥
  • めまい
  • 含有量が高いため、不安・パラノイア感・動悸が生じやすいとされる

派生・関連品種

文化的意義

  • 含有量が商品名の一部として機能するようになった時代の産物である。品種名より先に「37%」という数字が流通する
  • 一方で、その数字の出所が育成元自身であることは、この分野の情報環境をよく表している。検査は売り手が手配し、条件は公開されないという構造が、いまも続いている
  • 高含有量そのものが良いことなのかという問いも残る。含有量が上がるほど良い体験になるとは限らず、不快な反応が増える可能性も指摘されている。にもかかわらず数値競争が続いているのは、比較しやすい指標が数値しかないからでもある

日本国内における規制

日本国内では大麻草・大麻製品の 所持・使用・栽培・輸出入は大麻取締法および関連法令(現・大麻草の栽培の規制に関する法律、麻薬及び向精神薬取締法)により規制 されている。Future #1 は嗜好用・医療用が合法な地域で流通する品種であり、本記事は文化的・植物学的な解説を目的としている。日本では所持・使用は違法であり、本記事は特定の使用を推奨するものではない。

出典 — Sources

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