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米国の 麻薬取締局(DEA) は、2026 年 6 月 29 日、大麻を連邦の薬物規制区分で スケジュール I から III へ移す是非を審理する 行政公聴会を開始した。公聴会は 7 月 15 日まで、バージニア州アーリントンで開かれる。ただしこれは 「合法化」ではない。大麻は引き続き連邦の規制物質であり、今回の手続きは主に 研究のしやすさ税制に関わるものである。本記事は、何が審理されるのか、何が変わり何が変わらないのかを中立に整理する。

ざっくり言うと

  • 何が起きたか — DEA が、大麻を スケジュール I → III に移すかを審理する公聴会を 6 月 29 日に開始(7 月 15 日まで)。すでに医療用の一部は III へ移っており、今回は **大麻「全体」**が対象
  • なぜ重要か — III に移れば 研究の手続きが緩和され、大麻事業者は 連邦税の重い負担(280E)から解放されうる。ただし 嗜好用が連邦で合法になるわけではない
  • 日本との関係 — これは米国内の 規制区分の話で、日本の大麻取締法とは別。日本では大麻の使用は引き続き違法

何が起きたか

公聴会の概要

  • 期間: 2026 年 6 月 29 日 〜 遅くとも 7 月 15 日
  • 場所: バージニア州アーリントン(DEA 本部)
  • 進行役: DEA の 首席行政法判事 Derek Julius
  • 争点: 大麻を スケジュール I から III に移すべきか

ここで言う 「スケジュール」 とは、米国の連邦法(規制物質法、CSA)が薬物を 危険性と医療用途で分類する区分のことである。スケジュール I は「医療用途が認められず乱用の危険が高い」とされる最も厳しい区分で、ヘロイン等と同じ扱い。スケジュール III はそれより規制の緩い区分(医療用途が認められる)で、一部の医薬品が含まれる。

すでに「医療用の一部」は III へ移っている

今回の公聴会の前提として、2026 年 4 月、司法省・DEA は FDA が承認した大麻由来製品州の医療大麻制度のもとで扱われる製品を、先行して スケジュール III に移していた(連邦官報 2026 年 4 月 28 日)。これは トランプ政権下の方針(医療大麻・CBD 研究の拡充を求める政策)を受けたものとされる。

今回の公聴会は、これを 大麻「全体」に広げるかどうかを審理する、より広い手続きにあたる。

DEA の証人

DEA が示した証人には、次の人物が含まれると報じられている:

  • Corey Burchman 医師(疼痛管理): 「医療大麻が疼痛患者に医療上の便益をもたらす」と証言予定とされる
  • Dominic Chiapperino(FDA の規制物質担当): 大麻の医療用途を評価する **「8 要素分析」**と、FDA がスケジュール III を勧告した経緯を説明予定とされる

一方で、外部の参加者(指定参加者)の選定をめぐっては、改革を支持する側が選ばれなかったとして、手続きの公平性に疑問が呈されていると報じられている。

背景

「スケジュール III 化」で何が変わり、何が変わらないか

変わりうること:

  • 研究のしやすさ: スケジュール I は研究の手続きが非常に厳しい。III に下がれば、大学等での大麻研究が進めやすくなるとされる
  • 税制(280E): 米内国歳入法 280 条(280E) は、スケジュール I・II の物質を扱う事業者に対し 通常の経費控除を認めない。III に移れば、大麻事業者は 重い連邦税負担から解放されうる

変わらないこと:

  • 現時点で、嗜好用大麻が連邦レベルで合法になるわけではない。大麻は引き続き米国の規制物質法のもとで規制され、各州の制度は従来どおり州法のもとで運営される
  • 連邦と州の法の ねじれ(州で合法でも連邦では規制)が完全に解消されるわけではない

これまでの経緯

大麻の連邦リスケジュール(区分変更)は数年来の論点で、当サイトでも「米 DEA の大麻リスケジュールの現状」で取り上げてきた。今回の公聴会は、その手続きが 具体的な審理の段階に入ったことを示す。

関連する論点・影響

  • 医療研究: III 化は研究を後押しするとされるが、近年、大麻の合法化が進む国・地域でも「製品の商業化のほうが、それを支える臨床研究より先に進んでいる」という指摘がある
  • 手続きの公平性: 参加者選定をめぐる批判があり、結論の正統性に影響しうる
  • 不確実性: 公聴会の結論は 行政手続きの一段階であり、最終的な区分変更やその時期は、なお流動的である

日本との関係

これは 米国内の規制区分をめぐる手続きであり、日本の制度とは別である。日本国内では、大麻の所持・使用・栽培・輸出入は大麻取締法および関連法令(2024 年改正)により規制されており、米国でスケジュールが変更されても、日本国内での扱いが変わるわけではない。本記事は海外の制度・政策の解説を目的としている。

出典

出典 — Sources

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