品種図鑑 — CBD 優位 — Type II (THC・CBD 同比)
Sour Tsunami — 自分の痛みのために作られた、最初期の高CBD品種
文責 HighWide Yuuki ·
品種図鑑 — CBD 優位 — Type II (THC・CBD 同比)
文責 HighWide Yuuki ·
品種データシート
Sour Tsunami(サワー・ツナミ)は、カリフォルニア州フンボルト郡の育種家 Lawrence Ringo(1956–2014)が作り上げた 高 CBD 品種である。THC ではなく CBD を狙って意図的に育種された、最初期の品種のひとつとされる。
そして、この品種には作られた理由がはっきりしている。Ringo 自身の背中の痛みである。
「自分に必要だから作った」品種。THC を高める競争が主流だった時代に、逆を向いた育種の記録。
Lawrence Ringo は 1970 年代後半にフンボルト郡へ移り住み、大麻の育種を続けた人物である。子どものころに負った 背中の怪我による痛みを長く抱えており、オピオイドに頼らずに済む方法を探していたと伝えられる。
その過程で行き着いたのが、CBD の比率が高い株だった。
当時、育種の主流は THC をどこまで高められるかにあった。CBD は積極的に測られる成分ですらなく、含有量が高い株は「弱い」と見なされることさえあった。分析にかけて初めて価値が分かる品種を目指すこと自体が、当時としては例外的だった。
Ringo は 2014 年 4 月、がんのため亡くなっている。
伝えられている育種の経緯は、かなり手が込んでいる。
4 年という時間は、この時代の育種としては長い。目当ての性質——CBD が高いこと——が 見た目や香りでは分からないため、分析にかけて選ぶしかなかったことが影響していると考えられる。
この品種を語るうえで外せない数字がある。CBD が高く出る表現型は、育てた株の約 25% にしか現れないとされる。
つまり、種から育てても 4 株に 3 株は目当てのものにならない。狙った性質を確実に得るには、分析にかけて選び、その株をクローンで維持するしかない。大麻という植物の遺伝的なばらつきの大きさが、そのまま作業量になっている例である(この構造については、別記事「大麻の苗1本に2万ドル」でも扱った)。
この品種の意味は、ここに集約される。
化学型は Type II(THC と CBD が同程度) に分類される。CBD 優位(Type III)の株が採れることもあるが、上記のとおり表現型のばらつきが大きい。
「CBD が高い」と「THC が低い」は別のことである。Sour Tsunami は CBD が高いが、THC も相応に含まれる。THC がごく微量の品種(たとえば ACDC や Charlotte’s Web)とは、位置づけが異なる。
この品種に固有の信頼できる分析値を確認できなかったため、本記事では特定のテルペン名を挙げない。
香りとしては、Diesel 系に特徴的な 燃料を思わせる刺激が前面に出ると報告される。
CBD の比率が高い品種として、以下の傾向が報告されている:
医療文脈でユーザーレポートとして言及される症状:
**これらは確立された治療効能ではない。**Sour Tsunami という品種に治療効果が認められているわけではなく、CBD を含む製品で治療効果が大規模臨床試験により確立されているのは、難治性てんかんに対する医薬品(CBD 製剤) など限られた範囲にとどまる。CBD そのものについては「CBD とは」を参照。
なお **ACDC の由来については記述が分かれている。**Ringo の系譜に連なるとする資料もあるが、本サイトの ACDC の記事では、北カリフォルニアの医師 Dr. William Courtney が Cannatonic の種子から選抜したという経緯を採っている。この時期の高 CBD 品種は、複数の育種家が並行して近い方向を目指していたため、来歴の記録が交錯している。
日本国内では大麻草・大麻製品の 所持・使用・栽培・輸出入は大麻取締法および関連法令(現・大麻草の栽培の規制に関する法律、麻薬及び向精神薬取締法)により規制 されている。CBD を含む製品であっても、THC の残留限度値を超えるものは規制対象である。Sour Tsunami は嗜好用・医療用が合法な地域で流通する品種であり、本記事は文化的・植物学的な解説を目的としている。日本では所持・使用は違法であり、本記事は特定の使用を推奨するものではない。
出典 — Sources
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