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品種図鑑 — ハイブリッド — Type I (THC 優位)

パーマネントマーカー(Permanent Marker) — 油性ペンの香りで頂点に立った品種

文責 ·

品種データシート

系統
ハイブリッド
化学型
Type I (THC 優位)
THC
25-30%
CBD
<1%
由来
米国ロサンゼルス(Seed Junky Genetics が作出し、Doja が2022年に発売)
親系統
Biscotti × Sherb Bx × Jealousy
主要テルペン
#myrcene#limonene#caryophyllene
風味
油性ペン(化学的な香り)アンモニア花キャンディガス(燃料)
効果傾向
リラックス多幸感ぴりぴりした体感眠気(高用量で)

Permanent Marker(パーマネント・マーカー)は、Biscotti と Sherb Bx の交配に、Jealousy を掛け合わせたハイブリッドである。Prm と略されることもある。

名前のとおり、油性ペン(パーマネントマーカー)のような化学的な香りで知られる。米国の大麻情報サイト Leafly が毎年選ぶ「今年の品種」の、2023 年の受賞品種である。

ひとことで言うと

「いい香り」の基準を変えた株。甘いお菓子やフルーツの香りが好まれてきたなかで、油性ペンや消毒液のような、本来なら嫌われそうな香りを前面に出して人気を集めた。

作出は、Wedding Cake や Kush Mints を手がけたとされる Seed Junky Genetics(ロサンゼルス)である。

系譜

親

系譜は「(Biscotti × Sherb Bx) × Jealousy」と書かれる。3 つの株が関わる、三元交配である。

親系譜(GreenState による)
BiscottiGelato #25 の系統
Sherb BxSunset Sherbet × Cookies F2
JealousySherb Bx1 × Gelato #41

3 つの親はいずれも、Gelato や Sunset Sherbet といった「デザート系」の流れを引いている。なお **Jealousy は、Leafly の 2022 年の「今年の品種」**である。つまり Permanent Marker は、前年の受賞品種を親に持つ受賞品種ということになる。

Bx(バッククロス、戻し交配)は、交配で生まれた株を親の一方に掛け戻して、その親の特徴を強める方法である。

名前が変わってから広まった

GreenState によると、この株はもともと 「Adios MF」や「Gunnpowwder」という名前で売られていたが、あまり注目されなかった。

時期できごと
2022 年ロサンゼルスのブランド Doja(Doja Pak) が「Permanent Marker」の名前で、米国の 東西両海岸で限定発売
2023 年初めDoja が、ほかの栽培者にも 挿し木(クローン)を初めて提供
2023 年 5 月 13 日Seed Junky Genetics の 種が初めて発売される
2023 年 12 月 5 日Leafly の **2023 年「今年の品種」**に選ばれる

同じ株でも、名前とブランドが変わると評価が変わる。大麻の品種の世界では、名前もまた品種の価値の一部になっている。

形態と特徴

  • 系統バランス: Leafly は ハイブリッドとし、Leafly の受賞発表では インディカ寄りのハイブリッドとされている
  • 香り: Leafly は アンモニア、化学的な香り、タバコを挙げる。油性ペンのような香りに、花、石けん、キャンディ、ガスが重なるとされる。GreenState の書き手は、瓶を開けたときの香りを「砂糖をまぶしたブラックベリーと、刺すようなガソリン」と表現している
  • 花穂: 密に詰まり、紫と緑が混ざる見た目とされる
  • 栽培: GreenState によると 栽培は難しく、上級者向け。**花穂が腐る病気(バッドロット)**にかかりやすいとされる

化学組成

カンナビノイド

  • Δ9-THC: おおむね 25〜30%
  • CBD: ほとんど含まれない

化学型は Type I(THC が優位) に分類される。

Leafly の品種ページは 25%、2023 年の受賞発表は 平均 25〜30% としている。市販品の検査値は、検査機関や測定条件によってばらつきうる。

主要テルペン

テルペンは植物が持つ香りの成分で、品種ごとの香りの個性をつくる。Leafly が挙げる主なものは次のとおり。

  • ミルセン(myrcene): ハーブのような香り
  • D-リモネン(limonene): 柑橘の明るさ
  • β-カリオフィレン(caryophyllene): 胡椒のようなスパイス感

ただし、「油性ペン」の独特の香りが どの成分から来ているのかは、はっきりしていない。品種表示に載る「主要テルペン」は、大幅に要約された情報である(「大麻から227種類のテルペンが検出された」参照)。

効果プロファイル(報告されている傾向)

ユーザーレビューにもとづく傾向として、以下が報告されている。

  • Leafly では「ぴりぴりする体感」「リラックス」「多幸感」が多く挙がる
  • 全体としては 落ち着く方向の作用が多いとされる
  • GreenState は 重く強い作用だとして、初めての人には安全な場所で試すよう書いている

これらは Δ9-THC の作用と、テルペンの構成の組み合わせとされる。大規模な臨床試験で確かめられた治療効果はない。

副作用(報告されているもの)

  • 不安感
  • 頭痛
  • 目の乾き
  • THC が高い品種であるため、量が多いと不安が強まることがあるとされる

派生・関連品種

Leafly は、Permanent Marker を親に持つ品種として次を挙げている。

  • Scented Marker(Permanent Marker × Pineapple Fruz、Seed Junky Genetics)。2026 年 10 月の Leafly の注目品種にも選ばれている
  • MGM Magic Marker

文化的意義

  • 「臭い」香りの人気。Permanent Marker が受賞した背景には、甘い香りだけでなく、化学的で強い香りを面白がる流れがあると考えられる。2026 年の注目品種にもその流れは続いている(「Leafly『今年の品種』選考が大詰め」参照)
  • データで選ばれた受賞。Leafly によると、この株を載せた販売店のメニューは、2022 年 8 月の 10 店から、2023 年 11 月には 587 店に増えた。1,000 人以上の販売店スタッフ(バドテンダー)への調査でも、新しい品種のなかで最も多く勧められていた
  • 名前の力。同じ株が、別の名前のときには注目されず、「Permanent Marker」として出し直されてから広まった。品種の価値が「どの株か」だけでなく「誰がどう出すか」でも決まる世界については、「大麻の苗1本に2万ドル」でも扱った

日本国内における規制

日本国内では大麻草・大麻製品の 所持・使用・栽培・輸出入は大麻取締法および関連法令(現・大麻草の栽培の規制に関する法律、麻薬及び向精神薬取締法)により規制 されている。Permanent Marker は嗜好用・医療用が合法な地域で流通する品種であり、本記事は文化的・植物学的な解説を目的としている。日本では所持・使用は違法であり、本記事は特定の使用を推奨するものではない。

出典 — Sources

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